欅材。高さ26.5cm。頭部と下顎部からなり別材の舌を付ける。耳は丸いほぞ穴に差し、瞳銅版をあてる。頭頂部を剥(は)ぎ、その材をさらに前後で剥ぐ。頭頂部にほぞ穴をあけ、毛を植え、後部に幌用の鉄鐶を打つ。全体にベンガラ系の朱漆を塗り、眉・上唇は黒漆塗り、内部と底面は朱漆塗りとする。
　底面に「宝永五戊子年／従往古有来獅子依零落奉寄進杉山勘之丞／正月吉日」の朱漆書銘があり、橋本政恒筆録の『舟津記録抄』巻1の「宝永五年戊子年（中略）今年古郡文右衛門殿手代杉山織右衛門、舟津御社内ニ古来より有伝ふ処之獅子頭塗替被致候而奉納あり、入用金弐両三歩相掛り候由（宝永5年に幕府代官古郡文右衛門の使用人である杉山織右衛門が舟津神社に古くから伝来していたこの獅子頭を塗り替えて奉納した。その経費は2両3歩かかったようだ）」という記載と一致する。

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